【2024年版】農薬散布用ドローンのメリットとデメリット

【2024年版】農薬散布用ドローンのメリットとデメリット

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2024年現在、農薬散布用ドローンは性能の向上により、農業現場での需要が拡大しています。

本記事では、農業散布用ドローンの導入を検討されている方に向けて、そのメリットとデメリットを詳しく解説します。

ドローンを活用することで、従来の農薬散布方法にはない効率や安全性が得られます。主なメリットを以下に紹介します。

1.作業者の負担軽減

従来の手作業では、農薬散布機を担いで畑を移動する必要があり、大きな負担が伴いました。

しかし、ドローンを活用することでこの負担が大幅に軽減されます。

また、作業中に誤って作物を踏むリスクも回避できます。

2.作業時間の短縮

ドローンを活用すれば、水稲の場合、1反(約0.1ha)の農薬散布がわずか5分程度で完了します。準備と片付けを含めても約30分で作業が完了し、大幅な時間短縮が可能です。

ある農家では、従来の方法で3日程度かかっていた作業が、ドローン導入により数時間で完了しました。その結果、生まれた時間を利用して旅行に出かけたそうです。

3.作業精度の向上

ドローンは農薬を均一に散布できるため、手作業やヘリコプター散布に比べて高い精度を実現します。

その結果、農薬の使用量が抑えられ、コスト削減や環境負荷の軽減にもつながります。

4.安全性の確保

従来の方法では、作業者が農薬に直接触れるリスクがあり、健康被害の懸念がありました。ドローンなら遠隔操作で作業を行えるため、作業者が農薬に直接触れることなく安全に散布を進められます。

一方、ドローンの導入にはいくつかの課題もあります。以下に代表的なデメリットを挙げます。

1.高額な導入コスト

自社でドローンを購入する場合、1台の価格はバッテリー4本付きで200万円~400万円と高額です。

また、メーカーの講習費用(初めて導入する場合)、定期的なメンテナンス費用、保険料といったランニングコストも必要です。

専門業者に依頼する場合でも、散布費用の相場は1反(約0.1ha)あたり2000円~3000円とされており、大規模な散布を行う場合は負担が増える可能性があります。

2.使用可能な農薬の制限

ドローンで使用できる農薬は、農薬取締法に基づき制限されています。

2024年現在、対応する農薬は1,300種類以上に増加していますが、使用可能な作物や散布量、希釈倍率などの基準が細かく定められおり、事前の確認が必要です。(使用可能な農薬一覧

出典:農林水産省

3.煩雑な飛行申請手続き

ドローンの飛行には、無人航空機の登録手続き、国土交通省への飛行許可・承認申請飛行計画の通報が必要です。

ただし、専門業者へ依頼した場合、これらの手続きは不要です。

農薬散布用ドローンの導入には、効率化や安全性向上といった多くのメリットがある一方、高額なコストや手続きの煩雑さといったデメリットも存在します。導入を検討する際は、それぞれの利点と課題を踏まえて判断することが重要です。

この情報が、皆さまの検討材料としてお役に立てれば幸いです。

執筆者:Hainan drone service 事務局